ゆきぶろ

ゆきのブログです。

伊坂幸太郎 アイネクライネナハトムジーク

伊坂幸太郎には珍しい恋愛要素をふんだんに感じた作品でした。 でも完全に恋愛に振り切らないで、登場人物のちょっとおかしなところを仄かにくすぐりながら、話が展開していくところはさすがでした。

 

時間軸に戸惑うところはあったけれど、全てが繋がったときの爽快感はやはり素晴らしいものがありました。 途中大事なところで、そっとほっと出てくる斉藤さんに、登場人物たちと一緒にどこか助けられたような気もします。

 

私個人としては、もしかして運転免許センターのふたりが‥?とも思っていました。 どんなに強く見える人間だって、誰だって、弱いところがあってそれを人に見せるのは恥ずかしくて、それでもやるしかないから、その恥ずかしさを乗り越えてるのかもしれないな、と思いました。

 

ストーリー自体に劇的な変化、事件がある、というようなことはないのだけど、読み終わったとき、心がほっとあったかくなった作品でした。